あいどんわなだい

愛はどんなんだい

『持ち時間15分の夢』

 

今からまたアイドルについてゴチャゴチャと書いていきます。

 

 

今回は、

「夢を叶える為に頑張る!」

という言葉から思うこと。思ったこと?かな?

 

 

その言葉は決して何も間違っていない。

どんな夢かは人それぞれだと思う。

〇〇のステージに立ちたい、

故郷で凱旋ライブがしたい、

テレビで歌いたい、

女優になりたい……などなど。

これらはほんの一例として。

 

 

 

----------------------------------------------------------

 

 

そんな夢を抱く1人の少女がいるとしよう。

 

 

平日はアルバイトで生活費を稼いだりしているのかも知れない。都会の一人暮らし、家賃補助とかあったとしてもなかなか裕福な生活というわけにはいかない、かも知れない。

 

 

そんな彼女の夢は「トップアイドルになる」こと。

 

 

 

---------------------------------------------------------------

 

 

きっかけは中学生の頃に友達から教えてもらったとあるアイドル。可愛くて、キラキラしていて、なぜかドキドキした。それから、自分もそんなアイドルになりたいと思うようになった。

今まで何度もオーディションに応募してきたけれど、なかなか結果は出なくて。そのうちに年齢も重ね、もう自分には時間がないと焦る。親にも心配をかけてしまっているし、普通に就職した方がいいのかな?でもやっぱり───。

 

 

これで最後にしよう。

今回だめだったらアイドルになるのは諦める、と心に決めて臨んだオーディション。

 

 

後日、その事務所から連絡が届く。

 

 

……選考の結果、〇〇様は合格となりました。つきましては、───

 

 

 

合格。

 

 

私、本当にアイドルになるんだ……!

 

 

それから、デビューへ向けて怒涛のレッスンが始まる。自分では歌やダンスは得意な方だと思っていたけれど、周りにはバリバリの経験者もいたりして自分が遅れを取っているのがわかる。力不足に落ち込む。そんな自分に嫌な顔一つしないで、練習に付き合ってくれる優しいメンバー。わたしは1人なんかじゃない。少しずつでも成長できるように頑張る。

 

 

 

 

「だって私は、トップアイドルになるんだから!」

 

 

 

-----------------------------------------------------------

 

 

デビューライブの日が決まった。

私も知っているようなグループが何組も出るアイドル対バンライブだ。

私たちが与えられた時間は、15分間。

まだ持ち曲も少ないし、音源も出してない私たちに興味を持ってくれる人なんているのかな。歌もダンスもまだまだ自信なんて持てない。不安しかない。

 

 

でもやるしかない!全力で頑張ろう!

 

 

----------------------------------------------------

 

 

「今日のスケジュールこれだけなんだけどさあ、行きたかったライブとかぶっちゃってて。もうサイアク。時間も30分とかあればだけどさ、15分だよ?はぁ〜やる気しないわ。どうせ特典会もまた同じ人しか来ないでしょ。ぶっちゃけ何回同じ話聞かせんだよって感じ、もう聞き飽きたよ(笑)」

 

 

 

楽屋が同じだから、別に盗み聞きしてるつもりじゃないけど、そんな話が聞こえてくる。あの人はもう結構長くアイドルしてる人なのかな…。何を目標にしてるんだろう。うちのグループにはあんな人が居なくて良かったな。アイドルしてきたメンバーもいるけど、やっぱりファンの人は一番大切な存在だって言ってたし。私にもそんなファンの人が出来るかな…。

 

 

だめだめ。こんなこと考えてる暇があったら振りの確認しておかなきゃ!大事なデビューのステージ、完璧にしたいもん。

 

 

----------------------------------------------------------

 

 

いよいよ次が私たちの出番。

みんなで考えた気合い入れをして気持ちを高める。

 

 

SEが流れる。

 

 

今にも心臓が飛び出そうだ。

 

 

大丈夫。やれる。

 

 

真っ暗なステージ、自分の位置を確認してスタンバイ。

 

 

ふぅーっ、と息を吐き、集中する。

 

 

次の瞬間、音楽が流れだし、まばゆい光に照らされる。

 

 

無我夢中で踊った。歌った。

 

 

「ライブって、こんなに楽しいんだ!!」

 

 

練習の時とは全然違う。振りも自然と大きくなってる気がする。

 

 

照明って暑いんだな。汗が止まらなくなる。でもそんなの気にしない。全力でやるだけだから!

 

 

ぎっしり入った観客が自分たちを見ている。一緒に踊ってくれてる人もいる。あ、跳んでる人もいる。

 

 

楽しすぎて、歌が走りそうになるのをなんとか抑える。

 

 

楽しい!楽しい!楽しすぎる!

 

 

 

 

 

 

夢に見てきたアイドルとしてのステージ。

 

 

15分間の夢の時間が、終わった。

 

 

 

 

--------------------------------------------------

 

 

 

さて、突然ですがここで問題です。

 

 

『この少女は、夢であるトップアイドルになれたでしょうか?』

 

 

 

 

答えは……………

 

 

 

 

貴方のご想像におまかせします。