仕事帰り、家の最寄りのコンビニに立ち寄り、自分の中で安定の甘い菓子パンと、食べたことのない味のカップ麺を手に取る。その2つをレジへ持って行くと店員さんに「カレーパンがお安くなってますがいかがですか?」と勧められる。いつも何か声をかけてくれるオーナーらしき年配女性ではなく、もう少し若い、と言っても歳の頃は50代だろうか。もしかしたらオーナーの親族かも知れない。ともかくこれまであまり面識のない方であった。
「お店で揚げたカレーパン」がセール中なのは知っていた。何度か口にしたことがあるけれども、クオリティ高いんだよなあれ。
財布の中にある現金は小銭のみで数百円。少し足りない気がしたので「また次回で」と返す。
金額が表示され、支払いを終える。
今や多くのコンビニレジが半自動式みたいなものに変わった。現金の場合は人を介するとお釣りの間違いなどが生じることもある。まあそれも人らしくていいじゃないか、なんていうのは呑気すぎなんだろうか。
改めて財布の中を確認すると、思ったよりもお金が残っているようだった。
「カレーパンっていくらくらいでした?」
レジ台の上に大きくPOPがあるのだが、あえて確認してみる。
「129円ですね」
小銭を数えてみるとまだ145円くらい残っていた。
「足りないかと思ったんだけどギリギリあったのでやっぱりカレーパンも買います」
「あらま、じゃあ私がお金出しましょうか」
そこからまた3ターンほどの会話が生まれる。
(内容はややプライベートな事柄に触れるので割愛する。)
お客さんが入れ替わり立ち替わりするようなせかせかしている環境ではなかなかこんな場面は現れないだろうが、その時は店にはその店員さんと自分しかおらず、たまたま忙しくない時間帯だったのかも知れない。
こんな人間的なやり取りが日常のちょっとした癒しになるんだなぁということを忘れないよう覚え書きしておく。
病みつきになる味。
3月5日までセールらしいのでもう1個くらい食べてもいいかな。