あいどんわなだい

愛はどんなんだい

たられば

『silent』というドラマを見ている。話題と聞いて、第3話から見始めたのだが、まんまとハマった。

パンサーの向井慧さんもドハマりしてラジオでよく『silent』の話をしていて、それにも影響されているところがある。

あらすじなどは調べられるし、ここでは省略する。

その12/1放送の第8話から、とある記憶が甦った。

 

 

 

 

大学の1回生の頃、手話サークルに所属していた時期がある。きっかけはなんだろう……同じ科の仲良くなった数人が入るという流れになったからだったろうか。もうよく覚えてはいない。小さい頃、長期休暇には祖父母の家に泊まりに行っていたのだが、その近所に耳の聴こえない(難聴だったかな)女の子が住んでいてたまにその家について行っていたことがあった。そこで手話というものを初めて知った。

 

 

ドラマの中では、風間俊介演じる春尾という人物がボランティアとしてパソコンテイク(耳の聴こえない学生の為に講義の内容をパソコンに打ち込む作業)をしていた。その動機は就活の為であると春尾は悪びれずに公言する。

 

 

こんなこと自分で言うのもあれだけど、僕は良くも悪くも?打算的な人間ではないので就活でアピールしようとかの考えはまったくなくて。ただ、知らない世界に興味があっただけ。それに優しそうな人が多くて居心地も良かったしね。

 

 

 

僕の在学当時は、まだパソコンではなくノートテイクだった。話に聞く程度で自分がしたことはないのだけれど、同じように講義をノートに落とし込むようなものだったのだろう。そのノートテイクをしているという先輩はいた。

 

 

 

 

そんなサークル活動の中で、聴覚障害の人たちとの飲み会に参加させてもらったことがあった。まだ全然手話なんて知らない僕は、もちろん話に参加することもなく先輩や同級生たちの手話を使って会話する様子を見ていた。

 

 

その時の僕は何を思っていたかなあ。と考える。

 

 

耳が聴こえないということ、ただそれだけのことなのに、まるで言葉の通じない外国人を見るような気持ちだったのではないか。率直に言うと、怖かった。

そんな僕に、まったく聴こえないわけではないと思われる人が話しかけてきてくれた。でも、その発音は曖昧で、言葉を解読するのに何ターンか要してしまった。申し訳なく思った。結局たいして会話は続かなかった。当たり前だけど。

 

 

自分が手話という手段を使えないせいでコミュニケーションできない、いや、少し考えれば何とでもやりようはあるはずなのだけれど、当時の僕は身がすくんでしまった。

 

 

 

 

それからサークル活動からは足が遠のいていった。単純に忙しくてサークルに割く余裕もなくなってしまったというのもあったけど、もしもあの時サークルを続けていたら、今ではもう一切つながりのなくなってしまった仲間たちともまだ交流があったかも知れないし、きっと人との出会いも、知らない世界との出会いもあっただろうし、今とは違う人生だったのかなぁ…。

 

 

 

『silent』では、春尾は桃野奈々という学生と知り合い、手話を学び、手話通訳士という仕事を目指す。

ところが奈々は、

「仕事にしてほしくて手話を教えたんじゃない」

「善意は押し付けられたら偽善」

と春尾を拒絶する。

 

 

 

 

自分なら…と考える。

自分なら、やっぱりその道を選ぶだろうか。

たとえ偽善と思われようと、困っている人の力になれる仕事を担おうとしただろうか。

 

 

 

 

残念ながら、今のところはそういう生き方は出来ていないな。

そういう人になりたかったはずなんだけど。

 

 

 

 

 

なんてことをこの『silent』第8話を見て思いました。

おわり。

 

 

 

amazarashi 「そういう人になりたいぜ」 Acoustic - YouTube