あいどんわなだい

愛はどんなんだい

僕たちは下手くそなまま未来を思い描いて

2021/10/20(水)

Hakubi  傾(かぶき)・粉塵爆発ツアー

at 仙台MACANA


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「ステージ側の冷房、切ってもらえますか?熱くなりたいので」

 

序盤の数曲を演奏後、ボーカルの片桐さんがそう求めた。

 

 

一緒に歌うことや、歓声を上げることを制限された“ライブ”。

 

そういうもどかしい気持ちは全部私たちが引き受けるから、と。

 

SNSじゃなく、配信ライブじゃなく、コンサートじゃなく、“ライブ”をしにここに来ました、と。

 

 

最高の熱い時間でした。

 

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個人的には初めましてのHakubi。

メジャーデビューアルバムの『era』を持って回る全国ツアー。

もともととても好きな曲が多くて、初めてのライブを楽しみにして行った。

初めてだから雰囲気とかわかんないし、本当に失礼極まりないんだけどちょっと思ってたのは意外とポップなバンドだったらどうしよう、とか。自分の中のイメージは少なくともポップとか楽しい、とかではなくて。

 

 

結果、めためたに骨太なかっこいいロックバンドだった。

 

 

良い意味で、若さがあって、ヒリついていて。溢れる想いを全部ぶつけてくるような片桐さんのボーカルとかき鳴らされるギター。バンドのこととか全然知らないんだけど、気持ち良いアンサンブルっていうのかな。

それが、とても気持ちよくて。

 

時に、目に涙を浮かべて(そう見えただけかも知れないけど)、じぃっと目を合わせて歌われたりしたら…こちらも泣いてしまう。思い出すだけで目の前が滲んでくる…。

 

まだまだ余韻のある中でこれを書いていますので、まとまらないけど、いくつも言葉を書けば書くほど本当から遠ざかってしまう気もしてる。“ライブ”はその時、そこにしかないものだから。

それでも、自分の言葉を書いておかないと忘れてしまう。人は、悲しいくらい忘れていく生き物。

 

 

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「今」を、精一杯見せてくれるアーティストが好きです。アイドルが好きな理由もきっとそう。

「永遠」なんてない。ないけど、もし「永遠」と呼べるようなものがあるとするなら、「今」を本気で全力で味わい尽くすということ。過去も、未来も、意識から消え去ってしまうような一瞬。

その一瞬の中に「永遠」はある、気がする。

 

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ライブのことを書いていたのに、最後はちょっと変な話になりました…。

 

 

今回は一緒に歌うことが出来なかった歌がある。歌うんじゃなく、拳を突き上げることだけ。今はそれだけ。

その歌を皆で歌えた時、その歌が完成すると。

だからまたライブで会おう、それまでお互い生き延びようと。延命でもいい。生き延びてまた会おうと。

そういう未来の約束があることは、小さな希望なんだ。

 

 

 誰の言葉も振りきって

 自分の足で歩いて行くんだ

 たとえ小さな一歩でも

 私のために今を生きるんだ

 その道をただ進め

 

(Hakubi「color」より)

 

 

ただ進め。

必ずまた会うその日まで。