B「またなんか悩んでる、って顔だな」
A「まあな…」
B「例の“アレ“か?」
A「いや、もう“アレ”は済んだんだ…。今は全然違うことで」
B「どうせ女だろ。お前がそんなツラしてる時はいつもそうだ」
A「さすがだな…。じゃあちょっと話していいか?」
B「嫌だよめんどくさいし」
A「まあまあ聞いてくれよ。はぁ…なんか最近、態度っていうか、前と違うんだよなー」
B「ちょっと待て。それって付き合ってる相手の話?」
A「いや別に」
B「違うんかい」
A「まあまあ。そんで、なんか前みたいじゃなくてギクシャクしてるというか、モヤモヤするというか…」
B「それはな、原因はお前にあるんだよ。相手じゃなくてお前が変わったの。だから相手も変わったように見えるの。おk?」
A「うぐ…っ…、心当たりが…」
B「で、お前は前みたいな関係に戻りたいと。それは本当にそう思ってるのか?」
A「そりゃ思ってるけど…」
B「けど?なんか煮えきらない返事だな」
A「…………」
B「はいはい。わかったわかった。言わなくていいぞ。お前の考えてることは手に取るようにわかるからな」
A「……悔しいです」
B「それはもうさ、自分の気持ちに気づいちゃったわけだから、それを気づいてないふりしても仕方なくね?」
A「でも、あの子のこと大切にしたいって気持ちは嘘じゃなくて…。思い出とかもあるし」
B「そうだとしても、中途半端な気持ちでいても相手に失礼だし、結局は傷つけることになるんじゃねぇの?知らんけど。あと思い出なんてハラの足しにもならないもんは捨てちまえ」
A「…………」
B「お前も男ならグズグズモジモジと情けないこと言ってないで、ビシッと心を決めろ」
A「俺はお前がうらやましいよ…」
B「はあ?」
A「いつも正論しか言わなくて、迷いがなくて、全部わかってますって顔してさ」
B「別にそんなことねえよ。俺だって色々考えてるし悩みだってある。お前ほどグチグチしてないってだけだ」
A「グチグチか……はぁ…」
B「話はそれだけか?俺は行く所あるからそろそろ行くぞ」
A「うん…とりあえず今日はこれで。ありがとう。また何かあったら」
B「おう。」