「一緒に青春しませんか」的なコンセプトにどっぷりと浸かりきれないところがあるのは、単に自分の問題として、もう青春は必要ないものだと分かっているからかも知れない。何かに夢中になっているうちは何歳だって青春だ、みたいな言説もあるけれど、自分にとっては高校野球もドラマや映画にしてもアイドルにしても、全部好きだけど、その内側に入って楽しむ対象ではなく遠くからあるいは近くから眺めるもの。いつの間にかそういう目線を持つようになってしまったのだろうな。
勘違いしてほしくないのは、まあ勘違いしてもいいんですけど、僕はアイドルと青春することが間違いだとは思っていないです。自分自身その経験も経てきた上で「青春(ごっこ)はもうやりきった」という思いがあるから言えることであって。
はて、僕はいったい何を語っているんでしょうか。
(前置きが長い)
そんなわけで、tipToe.のライブツアー『SCHOOLTRIP2023』仙台編に行ってきました。
SCHOOLTRIP…これはそのまま「修学旅行」でいいのかな。いろんな思い出を作っていくツアー。
来年6月をもって活動を終了することがすでに発表されているtipToe.。仙台に次いつ来るか、来ないのかも、わからないけれど。
昼はゆるめのファンイベントがあったらしい。
一瞬参加するか迷ったが自分が見たいのはがっつりライブだしなーと夜のみ。(知り合いもいないし、あとシンプルにお金が)
メンバーの未波あいりさんが前日朝から体調が思わしくないとのことでイベントを休んでいたのですが、なんとか夜のライブは出演できるということで。普段の様子をよく知らないのでパフォーマンスがどうとかは判断の基準がありませんが、少なくとも僕の目にはそんな様子は見受けられなかったな。歌も安定していたし途中ハケたりするようなこともなかった。もともと仙台編はあいりさんフィーチャーのセトリを組んでいたみたいだし、無事に出演できてよかったです。
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tipToe.は結構前から知っていて。『thirdShoes.』というアルバム?EP?が非常に良作だった。コンセプチュアルで、良い意味で尖っていて、それまで自分の持っていたイメージを覆された。
行こうと思えば行く機会はいくらでもあったんだろうけど、まあ地方民だし…というのを言い訳に、なかなかその1歩が踏み込めないままで今日に至る。
自分的tipToe.初単独。
冒頭に書いた内容と矛盾するかも知れないですけど、tipToe.楽曲の描く世界観にはとても愛着があって。無邪気な可愛らしさ、爽やかさ、切なさ、そして孤独な感情…。
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暗転して、炭酸ジュースの缶を開けるような音(SE)が鳴っておおっ!と歓声が上がる。ほどなくして舞台上には未波あいりさんが現れ、『クロックワーク・スパークル』の冒頭を歌うところからライブがスタートする。
tipToe.のライブは曲間を繋ぐInterludeが効果的に使われていて、観客の感情をその楽曲のシーンへ引き込んで行く。そういった1つ1つの演出が各楽曲の魅力を引き出し粒立てているのだなぁと感じた。
今回の構成は、序盤の明るい曲ゾーン〜中盤のセンチメンタルゾーン〜終盤へ向かう再び明るい曲で盛り上げるゾーン、みたいな緩急があり、わかりやすく且つ王道のセットリスト。
(tipToe.公式から)
・MACANAで聴く「ないしょとーく」の至福感。音が良くて、曲のポテンシャル全開って感じ。2曲目にして踊る心と体。
・『thirdShoes.』の楽曲以外だと一番好きかな、という「群青と流星」もあって。風速も良い曲だよなぁ。
・意外と前に乗り出してくる柚月りんさん。
感想を書こうと思って書き出したのだけれど、今の自分じゃこのくらいが限界だ!経験値が無さすぎて!もっと「この子のこういうところが良かった」とか書きたいのに。でも特にボーカルは全員安定して良かったなあという印象。楽曲ごとに変わる表情も良き。とにかく皆かわいかった!かわいかったよ!!
まぁこんな感じでもちゃんと楽しかったです、ということは言っておきたい。あと、ライブ見てからの方が曲を聴いてての解像度が上がった感じがある。『茜』聴いて普通に涙出てくる。
次いつ行けるかはわからないけど、これで最後、にはしたくないなあ。